愛犬の口腔ケアにおいて、適切な歯磨きの頻度や回数に関して疑問を抱く飼い主は少なくありません。
多くの愛犬が歯磨きを好まないため、飼い主の中には歯磨きの回数を制限したいと考える方もいるでしょう。
本記事では、犬の理想的な歯磨き習慣について詳しく解説します。
のか最適な頻度や1日あたりの回数、そして口腔ケアを怠った場合のリスクについて触れていきます。
さらに、歯磨きを嫌がる愛犬への対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
犬の歯磨きの頻度は毎日するのが理想的！
犬の口腔ケアにおいて、毎日の歯磨きが理想的です。
食事の度に残る食べカスや汚れは、放置すると歯垢（プラーク）に変化します。
この歯垢は細菌の温床となり、歯肉炎や歯周病などの口腔トラブルを引き起こす主な原因となります。
愛犬の口腔衛生を維持するためには、毎日コツコツと歯磨きを続けることが不可欠です。
1日1回の歯磨きを継続する
愛犬の口腔ケアにおいて、毎日1回の歯磨きを継続することが必要不可欠です。
理想的には毎食後の歯磨きが望ましいですが、義務と感じてしまうと、飼い主と愛犬の双方にストレスがかかる可能性があります。
むしろ、「1日1回で十分」と考えて心理的負担を軽減するのが、長期的な習慣形成にはおすすめです。
食後約6～8時間で歯垢が形成されるため、歯磨きを行わない日は、デンタルケア用のガムなどの代替品を活用してみましょう。
タイミングは寝る前がベスト
犬の口腔ケアにおいて、就寝前が最適な時間帯とされています。
夜間は唾液の分泌量が減少して、口腔内での細菌増殖が活発化します。
就寝前に歯の汚れや歯垢を丁寧に除去することで、口臭予防や歯周病菌の繁殖抑制につながるのです。
毎晩の習慣として、夕食後や就寝前に歯磨きを行うことをおすすめします。
子犬の歯磨きの可能なら毎日行うのが望ましい
幼犬の口腔ケアも、乳歯が揃う生後2〜3ヶ月頃から、日々の歯磨き習慣を導入していきましょう。
口腔の健康維持には、汚れや歯垢の蓄積を防ぐことが大切です。
永久歯への交換後も、虫歯菌や歯周病菌は残存するため、油断は禁物です。
むしろ、幼犬期を早期ケアの好機と捉え、徐々に習慣化を進めましょう。
さらに、幼少期からの歯磨き習慣づけは、将来的に歯磨きを嫌がらない犬に育てる可能性を高めます。
犬の歯磨き頻度を怠ると起こる4つの影響
定期的な歯のお手入れを受けていない愛犬は、多くの健康上の問題に直面する可能性があります。
ペットの歯磨き習慣がない場合に起こりうる結果について、詳しく見ていきましょう。
歯に付着物が形成されて自宅での対処が困難になる
愛犬の歯でプラークが固まり、歯石へと変化すると、自宅での管理は不可能になります。
硬化した歯石を素人が強引に除去しようとすると、歯を傷つけたり、ペットにケガをさせたりする危険性が高まります。
歯石が形成されてしまった場合、家庭での対応には限界があるため、獣医師に相談しましょう。
歯石の予防には、日々のオーラルケアの習慣づけが不可欠です。
口腔内の不衛生が深刻な悪臭を引き起こす要因になる
定期的な歯のケアを怠った愛犬は、歯垢や歯石の蓄積により、強い口臭を発するようになります。
清潔な歯と健康な口腔状態を維持していれば、通常ほとんど匂いは気にならないものです。
愛犬の息が気になる場合は、歯の表面に歯垢や歯石が蓄積していないかチェックしてみてください。
また、口腔内のトラブルだけでなく、内部器官の疾患が原因で口臭が悪化することもあるため注意が必要です。
ペットの様子に少しでも違和感を感じたら、早期に獣医師の診察を受けることで安心を得られます。
歯周病発症の可能性が増大する
愛犬の口腔ケアを怠ると、歯周病に罹患する確率が上昇します。
犬は虫歯になりづらい一方で、歯周病には非常になりやすい傾向があります。
特に、ミニチュア・ダックスフンド、トイプードル、イタリアン・グレーハウンドといった小型犬種は歯周病のリスクが高いため、より注意が必要です。
歯周病は口腔内の健康を害するだけでなく、全身に影響を及ぼし、生命を脅かす深刻な疾患を引き起こす可能性があります。
愛犬の健康と長寿のために、日々の歯磨きを習慣化し、歯周病の予防に努めることが重要です。
口腔内の不調により愛犬が苦痛を感じる可能性がある
定期的な歯のケアを怠った犬は、すでに歯周病を発症している確率が高く、痛みに苦しんでいる可能性があります。
突然歯磨きを嫌がったり、口周りを触られるのを避けたりする行動は、歯周病による痛みが原因かもしれません。
大手ペット保険会社であるアニコムグループの調査によると、犬の76.3%が歯周病の予備軍であることが判明しています。
■ 歯周病の予備軍は 76.3％
あわせて、グループ会社のアニコム パフェ株式会社が、マース ジャパン リミテッドと共同で関東の動物病院を支援し実施した犬の「歯科健診」(※)の結果では、健診を受診した犬 780 頭のうち 76.3％に歯垢の沈着・歯石が見つかりました。年齢別の集計では、３歳以上の犬の 80％以上に歯垢の沈着・歯石が確認され、「歯科健診」の結果では、飼い主が気付いていない歯周病の予備軍が多いことがわかります。
引用：「76.3％が歯周病の予備軍、愛犬も歯みがきの習慣化を！」
歯周病菌は血流に乗って体内を巡り、深刻な疾患のリスクを増大させます。
毎日の歯磨きは手間がかかりますが、愛犬の健康を守るため、徐々に習慣化していくことが重要です。
犬が歯磨きを嫌がるときにすべき6つの対策
多くの飼い主が「噛まれそうで怖い」「愛犬が歯磨きを嫌がって困っている」といった悩みを抱えています。
大半の犬は口周りに触れられることを好まないため、歯磨きを嫌がるのは当然の反応です。
歯磨きの習慣づけには時間がかかるため、1～3ヶ月ほどかけて、急がず段階的に慣れさせていきましょう。
愛犬の口元への接触に慣れさせる
まずは口周辺に触れることから始めるのがポイントです。
一般的に、犬は顔面のマズル部分が弱点とされ、触られることを好まない傾向があります。
突然、硬い歯ブラシを口内に入れられれば、驚くのも無理はありません。
愛犬が口元への接触を苦手としていることを認識して、口周辺に触れる機会を徐々に増やしていくことで慣れを促しましょう。
歯磨きシートで愛犬の歯に慣れさせる
口元への接触に慣れた愛犬には、次のステップとして歯磨きシートを導入しましょう。
事前に指で口腔内を触る練習をしておくと、スムーズに歯ブラシでの歯磨きに移行できるかもしれません。
指に歯磨きシートを巻きつけ、歯の表面を優しくこすります。
頑固な歯垢や歯石の除去は難しいため、「歯磨き習慣の形成」と「表面の軽い汚れ除去」を目標に、優しくケアしてあげてください。
抵抗がある場合は、食用の歯磨きジェルをシートに塗布して試してみましょう。
香りの良い、または美味しい味わいの歯磨きジェルを使用すると、愛犬も喜んで受け入れやすくなります。
ご褒美を与えて歯磨き習慣を形成する
口元への接触や歯磨きを許容してくれた際は、たくさん褒めてあげることが大切です。
「歯磨き後にご褒美がもらえる」という連想を作ることで、徐々に歯磨きへの抵抗感が減少していきます。
歯磨きが困難な初期段階では、口元に触れたり歯茎を見せてくれるだけでも十分です。
最初は要求水準を低く設定して、時間をかけて少しずつ歯磨きの時間を楽しいものにしていく努力が重要です。
リラックスした雰囲気で愛犬の歯磨きを行う
歯磨きに対する飼い主の緊張や焦りは、愛犬にも伝わってしまい、結果として歯磨きを嫌がる原因となることがあります。
そのため、愛犬と飼い主の双方がリラックスできる環境を整えることが大切です。静かで落ち着いた空間を選び、愛犬が安心できるようにしましょう。
さらに、家族がいる場合は、歯磨き中は静かに過ごしてもらうなど、協力を求めるのも有効です。
周囲の環境が整うことで、愛犬は歯磨きを楽しいスキンシップの時間として認識しやすくなります。
適切なタイミングを見計らって愛犬の歯磨きをする
愛犬が十分に遊び疲れている時や眠気を感じている時は、歯磨きに対して比較的おとなしく応じてくれる可能性が高まります。
活発な愛犬のために歯磨きが困難だと感じている飼い主の方は、まず思う存分遊ばせてみましょう。
疲労感があると普段より静かになりやすく、歯磨きの実施もスムーズになる傾向があります。
口を開けることを嫌がる場合は、最初は歯茎の外側だけでも構いません。
歯磨き後はおやつで褒美を与え、徐々に慣れさせていくことが大切です。
どうしても歯磨きを嫌がるときは獣医師に相談する
愛犬が歯磨きを強く拒否する場合、歯の健康状態が悪化する前に獣医師への相談を検討しましょう。
犬は歯周疾患に罹患しやすい傾向があるため、早期の診察が重要です。放置すると、歯周病が急速に進行する可能性があります。
歯垢や歯石の蓄積が目立つ場合や、口腔内の確認が困難な場合も、専門家による診察を受けましょう。
さらに、口臭が顕著な場合は、歯周病や他の疾患の兆候かもしれません。
「まだ大丈夫」という判断は避け、少しでも気になる症状があれば、速やかに獣医師に相談しましょう。
犬の歯磨き頻度を保つ5つのポイント
愛犬の口腔ケアに関心をお持ちの方へ、犬の歯磨きに関する5つの重要なポイントをご紹介します。
ペットの健康管理において非常に有用な情報となりますので、ぜひ参考にしてください。
1.歯と歯肉の境目に45度の角度で歯ブラシをあてる
歯ブラシを45度の角度で歯と歯肉の境目に当てることで、歯の清掃が可能です。
過度な力を加えると歯肉を傷つけたり、愛犬に不快感を与える可能性があるため、優しくブラッシングしましょう。
また、歯ブラシの持ち方は鉛筆を握るような感覚で行うと、適切な力加減で磨けます。
2.内側は歯ブラシを細かく動かしてブラッシングする
歯の内側のブラッシングは、細やかな動きで行うことが重要です。
歯の内側は唾液腺に近いため、歯垢が蓄積しやすく、歯石形成のリスクが高くなります。
また、歯磨きが困難な箇所であるため、汚れが溜まりがちです。
内側の歯磨きに抵抗がある場合は、無理に押さえつけるのではなく、3日間かけて全体を清掃しましょう。
愛犬の歯垢は3〜5日で歯石に変化するため、少しずつ確実にブラッシングを行うことがポイントとなります。
3.口の開け方にはコツがある
愛犬の口を開ける際には、以下の手順で行いましょう。
- 犬歯の後方を親指と人差し指で優しく挟む
- 指をゆっくりと上方向に動かす
- 自然に口が開くのを待つ
美味しい歯磨きジェルを歯ブラシに塗布すると、愛犬の興味を引きやすくなります。
初めは歯ブラシを噛むだけでも多少の清掃効果があるため、歯磨きに慣れるまではそれで十分です。
歯磨きを嫌がる場合は、歯磨きシートや指にジェルを付けて磨くことから始め、少しでも成功したら褒美を与えるのが良いでしょう。
4.歯磨きガムも補助として活用する
歯のケアに抵抗を示す愛犬は多いため、デンタルガムを補助的に利用しましょう。
犬向けのデンタルガムは、歯表面の歯垢除去に役立ちます。
ただし、歯間の汚れまでは完全に取り除けないため、あくまでも補助的なケア方法として活用しましょう。
噛むだけでオーラルケアができる手軽さが、デンタルガムの魅力です。
5.愛犬の口腔衛生を考慮した歯磨き粉を選択する
犬専用の歯磨き粉は、誤って摂取しても安全な成分で製造されており、同時に口腔の健康維持にも貢献します。
犬はうがいができないため、歯磨き粉を必ず飲み込んでしまいます。
そのため、できるだけ安全性の高い無添加製品や、飲み込んでも問題ない歯磨き粉を使用するのが大切です。
さらに、多くの犬用歯磨き粉には腸内環境を改善する成分が含まれており、機能性も優れています。
「口臭予防効果がある」や「なめるだけで口腔ケアができる」など、使いやすさと機能性の両面から製品を選択してみてください。
犬の歯磨き頻度が不十分な場合に適した歯磨き粉5選
歯のお手入れが不定期または稀な犬に最適な、5種類の犬用歯磨き粉をご紹介します。
なめるだけで効果的な製品やパウダー状のタイプなど、様々な選択肢があるので、ぜひ愛犬に適した製品を選んでください。
1位：ドクターデンタルワン
| タイプ | ジェル |
|---|---|
| フレーバー・味 | ビーフ味 |
| 添加物 | 天然添加物使用 |
| 価格(税込) | ・通常価格：7,678円 ・初回限定特別価格：2,178円 |
ドクターデンタルワンは、ビーフフレーバーの歯磨きジェルなので、愛犬のオーラルケアに最適です。歯ブラシに塗布して、ワンちゃんに噛ませることで、プラーク除去も同時に行えます。
食事に混ぜて与えるだけでも、口腔内と全身の健康維持に役立つため、フードと一緒に使用することも可能です。
歯磨き用ジェルの香りに慣れてきたら、指に取って歯を磨くことから始めるのがおすすめです。
獣医師の93%が継続使用を希望するドクターデンタルワンは、その機能性と効果に大きな期待が寄せられています。
2位：KINS WITH DENTAL GEL
| タイプ | ジェル |
|---|---|
| フレーバー・味 | ヤギミルク風味 |
| 添加物 | 天然添加物使用 |
| 価格(税込) | 定期購入：4,980円/1ヶ月 |
KINS WITH DENTAL GELは、歯科専門の動物病院が製作した犬用の口腔ケア製品です。
ヤギミルクフレーバーを採用しているため、歯磨きを嫌がる愛犬でも楽しんで取り組めるようになります。
また、腸内細菌の専門家と共同開発したことで、口腔ケアだけでなく腸内環境のサポートも期待できます。
愛犬が誤って飲み込んでしまっても安全なKINS WITH DENTAL GELは、お口の健康と全身の健康維持を同時にサポートする信頼できる製品です。
3位：ドクターワンデル
| タイプ | ジェル |
|---|---|
| フレーバー・味 | ヤギミルク風味 |
| 添加物 | 無添加 |
| 価格(税込) | ・通常価格：7,980円 ・定期便初回価格：1,980円 |
ドクターワンデルは、デンタルケアを簡単に行える革新的な製品で、歯磨き用ジェルとスティックのセットです。
使用方法は非常にシンプルで、カンデルという歯磨き用スティックにワンデルというジェルを塗布し、愛犬に噛ませるだけです。
特殊なダイヤモンドカット構造のスティックが歯に適度に接触して、歯垢を除去します。
歯磨きを嫌がる犬や、噛む癖があるために通常の歯磨きが困難な犬の飼い主にとって、ドクターワンデルは歯のケアにおける負担を大幅に軽減する選択肢となるでしょう。
4位：犬猫生活 口腔ケアサプリ
| タイプ | パウダー |
|---|---|
| フレーバー・味 | ー |
| 添加物 | 無添加 |
| 価格(税込) | 単品購入：4,928円 |
犬猫生活は、通常の歯磨き粉に加えて、食事にかけるだけで口腔ケアができるデンタルふりかけも提供しています。
口腔内の清浄化と口臭予防に効果が期待でき、食事に振りかけるだけで使用できるため、おやつに興味を示さない犬にもおすすめです。
国産素材を厳選し、安全性を最優先に考えて製造されているのが犬猫生活の商品の特徴です。
「大切な家族の毎日の食事に使用するものだから」という製造者の思いが込められた製品となっています。
5位：BowDent（バウデント【販売終了】
| タイプ | ジェル |
|---|---|
| フレーバー・味 | グレープフルーツ風味 |
| 添加物 | 天然添加物使用 |
| 価格(税込) | ・通常配送：2,690円 ・定期便：2,330円 |
BowDent（バウデント）は、8億個の乳酸菌を含有し、口腔ケアと腸内環境改善を同時に実現するデンタルクリームです。
クリーム状の特性により歯への付着性が高く、指で歯に塗布するだけで歯の健康維持が可能です。優れた吸着力により、歯に固着した汚れを効果的に除去します。
加えて、口臭予防やコーティング効果など、4つの機能を1本で兼ね備えた多機能製品となっています。
簡便で継続しやすく、口臭ケアも同時に行いたい方など、多機能性と使いやすさを重視する愛犬家に最適です。
愛犬の歯磨き頻度は1日1回で十分！
愛犬の歯磨きは、可能であれば毎日行うのが理想的で、夕食後や就寝前が最適なタイミングです。
歯磨きを嫌がる犬に毎日続けるのは困難ですが、ペットの健康を考えると、徐々に習慣化することが重要です。
歯磨きを拒否する犬には、まず口に触れることから始めて慣れさせていくのがよいでしょう。
初めは1日1回でも大変に感じるかもしれません。そのため、3日間かけて口腔全体をケアするなど、無理のないペースで取り組むことをおすすめします。
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